まちに息づく「宝物」をたずねて~第3回福の住む里ふれあい調査~(2025/12/13)
- fukusumimurapro
- 2月5日
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更新日:2月7日

2025年12月13日、福住村塾「第3回 福の住む里ふれあい調査」を開催しました。
ふれあい調査は、地域の暮らしや行事、風習、言い伝え、おすすめの場所などをお住まいの方から直接聞かせてもらう「聞き書き」を行い、まちに息づく「宝物」を、歩いて、聞いて、感じるワークショップです。
福住校区には大字(だいじ)と呼ばれる集落が13地区あり、
今回は「井之市」(いのいち)、「長滝」(ながたき)の2つの大字を訪ねました。
過疎化が進む中山間地では、時代の流れや産業構造の変化の中で、失われてきたものも少なくありません。一方で、「住み続けられるまち」を目指し、日々の暮らしを大切にしながら歩みを続けています。そうした背景のもと、地域の記憶や経験を聞き取り、記録として残すことで、まちに息づく「宝物」があらためて芽吹き、次世代とともに育んでいくための地図を描いていきたいと考え、本調査を実施しました。
当日は、二つの集落を訪れ、それぞれの地域に暮らしてきた住民の方々にお話を伺いました。生活の様子や行事、子ども時代の思い出など、語られる内容は多岐にわたりましたが、特に印象的だったのは、両集落に共通していた子どもたちの姿です。
かつては子ども会が盛んで、年齢の違う子どもたちが一緒になり、野山を遊び場として過ごしていたといいます。異年齢で関わる中で、自然と役割や思いやりが育まれ、地域全体で子どもを見守る環境が形づくられていました。



また、冠婚葬祭は自宅で行われ、準備やもてなしの役回りが重なると大変さもあったそうです。その分、家族や近隣とのつながりが保たれ、日常の中で強い結びつきが育まれていたことがうかがえます。こうした積み重ねが、地域のコミュニティを支えてきたのだと感じられました。
井之市地区は平成6年まで土葬が行われていました。「喧嘩をしていても葬式だけは絶対行く風習がありました」と中谷さんはふりかえります。亡くなった方の両隣の家が、住職やお悔やみに来られる方のお世話役となり、自宅の「はなれ」でおもてなしをしたそうです。
一方で、墓堀りは亡くなった方となるべく縁のない人が担いました。
「結婚式の日は親戚や近所の方が集まり、家の中がいつも以上に賑わいました。子どもは式の間は外に出されました。とはいえ、気になって襖の間から中をのぞいたり、子どもらしいいたずらをして、大人が困り顔でお菓子をくれたこともありました。子ども心には、そんな時間が楽しみでした」と思い出を話してくださいました。


長滝町の調査に参加した天理大学の学生Sさんは
「長滝町は現在、静かな集落となっていますが、地域の方のお話によると、昭和30年代までは分校があり、人が行き交い、田畑の仕事で使われる牛の行き来も盛んだったそうです。そのお話を聞き、とても驚きました。
また、林業やお茶を中心に発展していた、かつての豊かな村も知ることができました。年越し行事や、この地域に伝わる風習のお話は、とても興味深かったです。」と調査をふり返りました。
今回の聞き書きを通して、表には見えにくくなっているものの、地域の暮らしの中には今も大切な価値や知恵が息づいていることを改めて実感しました。過去の記憶を共有し、言葉として残すことは、これからのまちづくりを考える上でも重要な手がかりになるはずです。
限られた時間のなかで聞けたことは、歴史深い地域のほんの一部にすぎませんが、今後も、地域の声に耳を傾けながら、その土地ならではの「宝物」を見つめ直す機会を大切にしていきたいと思います。
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開催日 2025年12月13日
場所 旧福住中学校 美術室
主催 天理市(人生100年時代づくり・地域創生ソフト事業)
お問い合わせ 福の住む里協議会事務局(岡本)、天理市総合政策課
講師 藤田卓(ふじたたく)さん
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部チームリーダー
理学博士・技術士(環境)全国の里山生態系調査、絶滅危惧種保全、モニタリングサイト100里地調査の担当者としてご活躍
公益財団法人 日本自然保護協会
日本の自然と生物多様性を守るために、
1951年に創立した自然保護NGO。「暮らしを支える自然の豊かさを守り、その価値を広め、自然とともにある社会を実現する」をミッションに全国各地で活動されています。







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