9月13日、14日に稲刈りを終えた樫本さんにオーガニックで米作りに挑戦する「無農薬無科学肥料栽培米」についてインタビューしました。

無農薬無科学肥料栽培米の難しさ
お米をオーガニックでつくることは、世間一般にも難しいとされています。その原因は、雑草と虫対策の難しさ、収量や価格の問題などさまざまです。
樫本さんの話では、今年は初期段階から雑草対策に苦労したそうです。通常の米作りでは、稲を定植したあとに除草剤をまいて雑草の育成をおさえます。
樫本さんは、稲の定植のあとにチェーン除草を行いました。写真は、6月13日に山添村でのイベントでチェーン除草を実演する樫本さんです。

その後も、何度か除草を行ったそうですが、雑草の繁殖を抑えることができなかったそうです。雑草が生えてしまうと栄養分が取られてしまい、稲の育成にも影響が出てきます。実際に樫本さんの田圃のあるあたりでは、1反あたりの収量は400kgが平均とされているそうですが、無農薬無化学肥料の田んぼの収量は235kgほどだったそうです。






樫本さんは、原因として除草のタイミングの難しさと肥料の不足が原因と考えているとのこと。
また、今年は収穫の1週間前に鹿に入られて10平方メートルほどの稲を食べられてしまったとのこと。獣害対策の柵もやり直したそうです。
稲刈りをした田圃に早速、次年度の田植えに備えて、土をおこして肥料になる微生物資材と米ぬか、鶏糞を入れて土づくりを始めました。
今年は通年以上に暑い日が続いていますが、微生物が活発に活動できるチャンスでもあります。暑さを利用して、微生物たちに良い土づくりを手伝ってもらいます。

川や田では魚やヤゴが元気に育っている
幼少のころは、学校から帰ったら魚釣りばかりしていたそうで、何年か前は、すっかり魚が少なくなり寂しい思いをしたという樫本さん。最近、田んぼにヤゴの姿を発見し、近くの川の魚も一時期よりも増えてきたと感じているそうです。
収量に重きをおいてきた今までの農業から、里山の多様な生物たちと共存し、なおかつ、農業で暮らしていけるように変わるには、まだまだ、課題が多いと樫本さんは言います。
無農薬でお米作りに成功している先輩農家さんのところにも積極的に勉強に行っているそうです。
今年収穫したお米は、いつもお取り引きいただいているお宅に早速、納品したとのこと。
また、無農薬無化学肥料でつくる貴重なお米は、セブンイレブン田原本味間店、天理稲葉店にも卸しているそうなので、店舗で見かけたらぜひ、格別な味わいの「さとる米」をGETしてくださいね。

Comments